田中貴金属ジュエリー株式会社

今までも、これからも ギンザタナカのサステナブルな活動をお伝えするコラム

第 5 回
人と動物、
どうやったら
一緒に
生きていけるのでしょう?

動物は、わたしたち人間が誕生する
はるか前から地球に暮らしていました。
やがてわたしたちのパートナーや家畜として
動物との関係が始まり、今に至っています。
その間、人間のしたことが原因となって
絶滅に追い込まれた野生動物も数多くいました。
この地球で共に暮らしていくために
わたしたちができることは何か、
今回のコラムで考えてみます。

パートナーであり、
守るものであり、同族であり

9月20日から26日は、環境省が提唱する「動物愛護週間」。
動物を愛護して、適切に飼うことへの理解を深めることが目的です。

ペットの虐待や密猟などの違法取引はしばしばニュースとなり、わたしたちの心を痛めます。
一方、野生動物に関してはIUCN(国際自然保護連合)が「絶滅危惧種レッドリスト」を発表していて、現在4万種以上の生物が絶滅の危機にあるとされています。そのうち哺乳類と両生類は、合わせて67%を占めます。
記憶に新しいところでは、2019年の8月ごろにオーストラリアで起こった大規模な森林火災で多くのコアラが犠牲になり、自国のレッドリストで絶滅危惧種に指定されてしまいました。日本でもイリオモテヤマネコ、ニホンアシカ、エゾナキウサギ、ヤンバルクイナなど多くの種が開発などによる環境の変化で激減、レッドリストに掲載されています。

ペットも野生動物も、等しく命あるもの。同じ地球に生きる者同士、自然界の要素を絶滅させないためにはどんな行動を取ったらいいか、こういったレッドリストなどを元に意識を変えていく必要があります。

(参考)
環境省「動物の愛護と適切な管理」:
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/pickup/week.html
IUCN:
https://www.iucnredlist.org/ja

ファッションの世界にも
アニマルフリーの流れ

「エシカル=倫理的な」を価値の基準に置く動きが注目されています。
その中でも、毛皮、羽毛、皮革などの動物素材を使わない「アニマルフリー」の概念を採用するアパレル企業も増えてきました。動物を殺してその毛皮や羽毛などを手に入れる従来の手法が、「ノー」と言われ始めたのです。

それらの代替品となる人工皮革や化学繊維などは、以前から衣服に使われています。
しかし、どことなく「にせもの感」がつきまとい、コストを下げるため仕方なく、という見方をされていました。その価値観を180度変えたのが、アニマルフリーの潮流。コスト削減ではなく、地球環境への貢献というポジティブな方向に変わったのです。
消費者の側でも、「動物素材を使った製品は買わない」といった動きが目立ってきています。技術の向上により人工素材の外観や性能が上がったこと、そして従来のような石油製品ではなくサステナブルを意識した新素材の登場も、その傾向を後押ししています。近年では、リンゴやブドウなどの果物から皮革そっくりの素材をつくったり、木の実から採れる綿をウールやダウンのような保温性の高い繊維にしたりする技術が開発され、話題となりました。

SDGsの目標にも沿ったこのような新素材は、これからも次々登場するに違いありません。

マイクロチップは、
言うなれば飼い主との「絆」

ペットをめぐる動きでは、2022年6月1日から飼い犬と飼い猫への「マイクロチップ」装着が義務化されました。

個体識別番号がその中に記録されていて、飼い主の住所氏名とひも付けることができるというシステムです。これは、大地震などの大災害で行方不明になってしまう、散歩中何かに驚いて駆け出して行ってしまう、家の外へ逃げ出して迷子になってしまうなどの事態が発生したとき、マイクロチップにある情報をもとにペットを飼い主のところへ戻す手助けとなります。
マイクロチップは直径1.2~2ミリ、長さは8~12ミリほど。生体適合性のある素材でできていて、注射器によって装着します。

マイクロチップが飼い主を特定してくれるということは、ペットを無責任に捨ててしまうことへの防止策ともなります。装着が義務化される犬と猫は、ペットショップやブリーダーから購入する場合のみで、現在飼っていたり譲り受けたりするときは努力義務です。

しかしマイクロチップはペットと飼い主をつなぐ「絆」のようなもの。積極的に装着することを、各自治体でも勧めています。

身近に動物のモチーフを置いて
癒やしを

ペットと一緒に暮らすと心が落ち着いたり、ストレスを解消できたりすることはよく知られています。
「アニマルセラピー」という精神療法としても実施されていて、動物と触れ合うことで認知症やうつ病が緩和されたという論文も発表されています。

さて、ペットなど生きている動物以外でも、動物を身近に置いて癒やしを得ることはできます。
例えば、動物をかたどったオブジェを飾る。それも、単なる模造の動物ではなく、生き生きとした表情や仕草でつくられた「作品」であればなおさらです。見入ったり微笑んだりして、実際の動物に近い癒しの効果が期待できるかもしれません。

創業以来、貴金属と共に歩み続けてきたギンザタナカでも、「眺める」楽しみの一つとして、純金製の動物オブジェを展開しています。純金が持つ豊かさや温かみを身近に感じていただきながら、愛らしい動物達を楽しんで末永くかわいがっていただきたい、そんな思いで制作しています。
純金オブジェコレクションの「動物シリーズ」は、まるで生きている動物が目の前にいるような彫刻で知られている木彫り彫刻家のはしもとみお氏が原型をつくっています。木彫りならではのノミ跡までわかる仕上げで、十二支の純金の動物(干支にない猫もいますが)がラインアップされています。

9月1日から、6月に発売した新作の「子ねこ」「子いぬ」のオブジェを含む、「動物シリーズ」の仲間たちを、はしもとみお氏のアトリエを再現したミニチュアに飾った展示がギンザタナカ銀座本店でスタートしました。
(「はしもとみお氏のアトリエであそぶ純金オブジェたち~純金の動物たちがうまれたアトリエをミニチュアで再現~」展示期間:2022年9月1日(木)~11月30日(水)/ギンザタナカ 銀座本店)純金オブジェの原型が生まれたアトリエに置かれた純金の動物達には、純金ならではの美しさに加え、まるで今にも動き出しそうな生命力を感じます。

「動物愛護週間」をきっかけに、人間と動物の濃密で深い関係に想いを馳せると、ペットや飼い主という立場になるはるか以前から、地球上にいっしょに棲んでいる「動物」であることを再認識しました。
今という時間は果てしない地球の歴史の、ほんの一瞬かもしれません。でも、生きている種を途切れることなく次の世代に受け渡していくのがわたしたちの務めなのだと思います。

  • − (来年の干支・ウサギのオブジェも)
  • − (6月に発売した新作の子ねこ・子いぬ)
  • − (「はしもとみお氏のアトリエであそぶ純金オブジェたち~純金の動物たちがうまれたアトリエをミニチュアで再現~」メイキング風景)

(参考)
アニマルセラピーに関する論文:
https://scholar.google.co.jp/scholar?hl=ja&as_sdt=0%2C5&as_vis=1&q=%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%94%E3%83%BC+&btnG=

橘 千佳

CHIKA TACHIBANA

(ギンザタナカ販売企画室室長)

商品開発や販促・広報全般を担当。
貴金属という限りある資源を扱っている限り、未来につながる持続可能な社会をつくることは、わたしたちの大切な使命だと思っています。
毎日の生活でも、フードロスを減らしたりリサイクルで資源節約にいそしんだり、いろいろな取り組みに励んでいます。