田中貴金属ジュエリー株式会社

今までも、これからも ギンザタナカのサステナブルな活動をお伝えするコラム

第 3 回
「女性らしさ」は
「わたしらしさ」に
—— 国際女性デーに
考えること

3月8日は、「国際女性デー」。
これは国連によって定められた、女性が政治に参加する
自由と社会での平等について考える日です。
世界各国で、それに関連した
さまざまなイベントが開かれます。
日本でも企業・団体による記念事業や
イベントがニュースでも取り上げられますね。
今回のコラムでは、
国際女性デーの背景や社会の動きを踏まえ、
ギンザタナカとしての取り組みや
わたしたちの考えもお伝えします。

「国際女性デー」とは、
そもそもどんな日?

1908年、ニューヨークで女性の労働条件改善のための大きなデモが行われ、これをきっかけにヨーロッパでも女性の参政権を求める運動が広がりました。そして1975年、国連は3月8日を国際女性デーと制定。女性が確実に社会参加するための環境を整備するよう、加盟国に対し呼びかける日となりました。この日は1917年、帝政ロシア時代に行われたデモの日にちなみます。
またイタリアではこの日、男性が女性に感謝を込めてミモザの花を贈る習慣があり、「ミモザの日」とも呼ばれています。ミモザの花の色から、黄色が国際女性デーのシンボルカラーになったそうです。

また、SDGs(持続可能な開発目標)では第5の目標として「ジェンダー平等を実現しよう」が掲げられていて、国際女性デーとも呼応するように、ジェンダー差別をなくし、すべての女性の能力を伸ばそうという意識が高まっています。
おりしも2022年の国際女性デーのテーマは、「持続可能な明日に向けて、ジェンダー平等をいま」。気候変動への適応・緩和・対応策の主導とも絡めて、地球規模の課題解決を目指すということです。

日本では、国連の取り決めを受けて女性の社会的地位向上を図る決議が国会で採択されました。また、国連機関である「UN Women」の日本国内委員会が2011年に発足し、政府からの拠出金を受けて活動しています。

相変わらずの日本の現状を
変えていくには

日本では1985年に「男女雇用機会均等法」が制定されてはいますが、働く女性の地位は上がっているとは言い難い現状があります。
男女格差の大きさを国別に比較した、世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数2021」では、世界156か国中、日本は120位でした。G7では最下位。国会議員や閣僚、管理職の女性比率が圧倒的に少ないのです。
「女性活躍推進法(2015年)」、「政治分野における男女共同参画推進法(2018年)」が施行されましたが、まだまだ効果を上げるには至っていません。これは長く続いている家長制度、「仕事は男性のもの、女性は家庭に」の意識が未だに強く残っていることなどが大きな原因のひとつと言われています。

そんな中、ジェンダー平等を掲げ、実際に推進している企業も増えてきました。
「2030年までに女性役員の割合を30%にする」、「女性管理職を2025年には50%に」といった具体目標を掲げる企業もあれば、産休や育休の手厚い制度を実施したり、出産や子育てのために退職した社員の再雇用を推進したり、リモートワークの活用で出社に縛られない勤務体制を整備したりなど、女性が無理なく仕事を続けられる制度を導入しているケースも目立ってきました。

こうした取り組みが進むにつれ、女性ばかりではなく男性にとっても働きやすい環境が整っていくという期待もあります。
旧来の男性中心価値観は実は男性も縛ってきた──つまり「男らしさ」という価値が重荷となっていたのではないでしょうか。女性にとって有意義な雇用条件・労働条件が、すべてのジェンダーのワークライフバランスをレベルアップする効果を生み出します。これらのプラス要素を掛け合わせることで、企業も社会もいい方向へ成長していくのではと思っています。

出典●世界経済フォーラム(WEF)「ジェンダーギャップ指数 2021」
https://www.weforum.org/reports/global-gender-gap-report-2021

では話を戻して、ギンザタナカは国際女性デーに関連してどのような取り組みをしているかご紹介しましょう。

まずは、「ピンクリボン運動」。ご存知のように、ピンクリボンは乳がんの早期発見、早期治療の大切さを伝えるための活動です。
日本乳がんピンクリボン運動(J.POSH)は「乳がんで悲しむ方を一人でも少なくしたい、なくしたい」の一心で活動を行っていて、マンモグラフィーの受診呼びかけや早期発見の啓発など、幅広い取り組みを展開しています。
わたしたちはその趣旨に賛同し、2009年から関連するオリジナル商品をシリーズで製作して売上げの一部を公益財団法人日本対がん協会「ほほえみ基金」への寄付を行っています。
これは、乳がん征圧のために設けられた基金で、がんで悲しむ女性を一人でも減らす活動に充てられます。

ピンクリボン シリーズの商品は、K18 ピンクゴールド3種とプラチナのタイニーピン1種の計4種を展開し、ピンクサファイアがあしらわれているデザインもあります。ギンザタナカのこだわりは、得意とする貴金属を素材に、よく知られたピンクリボンのデザインを表現したことです。
幅広い年代の方にお楽しみいただける、愛らしいデザインに仕上がっています。全体にピンクがかっており、まさにこの活動を象徴するジュエリーです。女性がいつまでも笑顔でいられるよう、少しでもお役に立てれば嬉しいことです。

プラチナの変わらない輝きを、
女性たちへ

もうひとつの取り組みは、「プラチナ・ウーマン」。
これはプラチナ・ギルド・インターナショナルがジュエリーブランド4社と共同で立ち上げたプロジェクトで、「『本当のわたし』、輝く。」をキャッチフレーズにプラチナの輝きが女性に力を与えてくれるというストーリーで展開されています。
化学変化を起こしにくいプラチナ。その純粋さや上質さ、輝きが女性たちを内面からより美しく、誇らしくあるための象徴として表現されたコレクションです。どんな時でも女性として、自分らしい生き方を見つめられるよう後押しができれば、との思いを込めています。

このプロジェクトでは、シリーズ商品1点のお買い上げにつき500円を、「認定NPO法人カタリバ」に寄付しています。
すべての10代が意欲と創造性を育めるよう、子どもたちにさまざまな学びの機会と居場所を届ける活動をしている教育NPOで、学校・放課後・地域・行政など、10代を取り巻く環境に沿ってさまざまなプロジェクトを実施しています。
例えばコロナ禍で始めた、経済的に困難な状況にある家庭の子どもへのオンライン学習支援や保護者を支える無料相談チャット、さらに災害時の居場所支援、実践型探求学習のプログラム提供など、活動は多岐にわたります。

どんな環境に生まれ育っても「未来は創り出せる」と信じられる社会を目指し、子どもたちが希望に満ちた未来をつくっていく礎になってくれればと、わたしたちも願っています。このシリーズは純プラチナで製作されていて、上品な輝きと繊細さの中に凜とした力強さも感じられます。身に着ける女性と、応援している10代へのエールとなればと思っています。

「らしさ」の基準を
考え直すためのチャンスに

ギンザタナカは明治の創業の時から、身に着けることで幸せな気持ちになる貴金属ジュエリーを取り扱ってきました。
女性に一層輝いてもらうことで、社会での活躍も後押しできるのではという思いがその背景にあります。わたしたちの会社自体、現在198名の社員中、女性社員は149名(2021年3月時点)。全社員の約75%が女性です。
取扱いカテゴリーや従業員の割合から、国際女性デーへの賛同もごく自然な流れです。

そして今回のコラムでジェンダーについて触れるに当たり、再認識した部分もあります。
「女性らしい美しさ」を追求してきたわたしたちですが、その「らしさ」の基準を見直す時が来ている、ということです。「女性らしい」という言葉を「あなたらしい」「自分らしい」へと塗り替えてもよいのではと思います。

わたしたちが理想としているのは、女性も男性も関係なくジュエリーを楽しむことができる社会です。
ジェンダーレスな「らしさ」をそこでどう輝かすことができるのだろう、ギンザタナカはどんなお手伝いができるのだろう──国際女性デーはそんなことを考え直す、いいチャンスとなりました。

このコラムをお読みのあなたは、どんな「らしさ」を持っているのでしょう。
国際女性デーをきっかけに、ぜひ一度振り返ってみてはいかがでしょう。

橘 千佳

CHIKA TACHIBANA

(ギンザタナカ販売企画室室長)

商品開発や販促・広報全般を担当。
貴金属という限りある資源を扱っている限り、未来につながる持続可能な社会をつくることは、わたしたちの大切な使命だと思っています。
毎日の生活でも、フードロスを減らしたりリサイクルで資源節約にいそしんだり、いろいろな取り組みに励んでいます。